圧力ポンプの圧力が 上がらない

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こんにちは かみこじです。

空調メンテナンス歴32年の私がポンプの圧力が上がらない

不具合について考えられるポイントを解説します。

空調メンテナンス初心者さんのお役に立てればと思います。

不具合項目:圧力が上がらない

目視点検

運転確認

・ポンプ運転要求しているか?

 問題:そもそも運転スイッチが押されていなかった。

 解決:運転スイッチを押します。

・実際にポンプが回転し運転しているか確認します。

 この時、回転方向も確認します。

 整備後の場合はインペラーを逆に組み込んでいる場合がある(ミス)

・運転中の運転電流を確認します。

 電流はR相・S相・T相 各差は±5%以内であること。

 端子部チェック増し締めなど

・運転電流はモーターの定格電流以内かをチェックします。

 ※モーターの定格電流を超えての運転はモーター損焼する恐れあり。

  手で回してみて軽く回るか確認する

  グランドパッキンの締めすぎなら漏れすぎに注意しながら調整する

  軸受の不良などのチェック、分解整備必要

・運転電流は安定しているかチェックします。

 運転電流が安定していない、または正常の電流値を下回る

 問題:エアーが混入している可能性があります。

    水が流れていない。

 解決:ポンプを運転停止してエアーパージを何回か行う。

    運転を停止し呼び水を呼び水カップから入れる

・運転電圧は均等かチェックします。

 R相ーS相、S相ーT相、RーT相 間で電圧を測定する。

 供給電圧の各差は±10%です。

 端子の増し締め

・圧力チェック

 そもそも圧力計が故障している場合もあります。

 圧力計の取り出し配管は細いので錆などで詰まっている場合もあります。

 ゲージの交換はバルブを閉めて作業すること

運転確認以外で考えられる不具合

ポンプが通常運転していて圧力が上がらいと言うことは、圧力を上げるものがそこにない。

どういうことかというと

本来ポンプの役割は下の箱に入っている水を上の箱へ運ぶために使用する。

下の箱に入っているはずの水がなかったら、空回り運転しているだけ。

この辺を意識しながらチェックする。

ポンプ周りで言えば吸込み側の異常の有無を疑う

・原因:エアー混入

 先ほども書きましたがどこからかエアーが混入している可能性があります。

 解決:どこからエアーが混入しているか確認し解決してからエアーパージする。

    原因を突き止めエアー混入を防ぎましょう。

  ※配管の構造上エアーが入るとなかなか抜けないということがあります

   主に鳥居配管になっている、この場合鳥居の最上部にエア抜き(手動)配管を取りけておく

   ポンプが水槽より高い位置に設置されている(施工上しかたがない場合)この場合は補給水を

   接続しておく必要があります

 エアー混入したまま運転するとグランドパッキンやメカニカルシール損焼します。

 グランド部(シャフトの軸部)が損焼すると水漏れの原因になります。

 シャフトの摩耗も早めます。

 ※メカニカルシールは完全に水は止まりません多少ですが水は出てきます

・原因:バルブが閉まっている。

 初歩的なミスですがバルブを開け忘れている場合があります。

 解決:バルブを開ける。

・原因:吸込み側のYストレーナーの網が詰まっている。

 急に詰まるものではないので気づきにくいですが

 解決:定期的にYストレーナーの中の網の清掃は実施しましょう。

・原因:水量を吸込み側のバルブで調整している。

 現場でよく見かけますがそれは間違いです。

 というよりダメです。

 バルブで水量を調整する場合

 解決:給水ポンプなどはポンプの吐出側のバルブで調整する。

 冷温水ポンプは冷温水ポンプから冷凍機へ送られている場合

 解決:冷凍機の冷温水出口側のバルブで調整を行う。

 冷却水ポンプは冷却水ポンプから冷凍機へ送られている場合

 解決:冷凍機の冷却水出口側のバルブで調整を行う。

    冷却塔へ送られている場合は散水バルブで調整を行う。

ではなぜ吸込み側のバルブで調整するのはダメなのか?

理由:吸い込み側でキャビテーションが起きるからです。

※キャビテーションとは吸込み側で局部的な圧力低下により

液体が飽和蒸気下になると気泡が発生する現象

最悪な状態になると渦巻き室内部を摩耗させてしまうこともあります。

・原因:水がポンプへ来ていない。

 そもそもですがたまにあるんです。

 給水されていない

 水が張られていない

 解決:最低吸い込み配管からポンプ上部まで水を貼りましょう。

・加圧給水ポンプの場合

 補給水の勢いが弱いなど

 原因:加圧タンク不良

 解決:タンク交換

 原因:運転起動スイッチ不良

 解決:運転スイッチ交換

 原因:圧力スイッチ不良

 解決:圧力スイッチ交換

・原因:異物混入

 上記で解決しなければポンプを分解する

 解決:羽根車(インペラー)に破損や異物がないかチェックする。

    先ほども書きましたが分解整備後組立時にインペラーを逆に組んでしまっている

    私も一度経験があります、組立時は再確認しましょう

・原因:フート弁故障 吸い込み配管が水槽から吸われている

    この場合フート弁の漏れ(故障)で運転停止時に吸い込み配管内の

    水が落水してしまっている状態、フート弁の交換して下さい

圧力が上がらない時は吸込み側をチェックするべし。

以上です。

最後までありがとうございました。

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