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モーターからの異常音やファンベアリングからの異常音の点検です、ベアリングが悪くなると他の機器にどう影響するのか、点検から対処まで空調メンテナンス初心者のために参考にしていただけたら幸いです。
空調メンテナンス歴32年の私がベアリング点検について詳しく解説します。
なぜベアリングは異常音が出るのか
ベアリングには寿命があります。
2年又は運転時間が30000時間の目安で寿命がきますので定期的な交換時期を提案する必要があります。
異常音にはキズやカジリなどいろいろありますがグリース切れや、グリース硬化などの不良が原因で異常熱が発生し、ベアリングの玉の摩耗やバランスよく並べているリングのひずみなど異常音の原因になっていきます。
日頃の点検がいかされる
日頃の点検は大事です。
注意して確認するところは
音・・・いつもと違う音がなりだしたら経過観察です。と言う事は良いときの音を覚えておく必要があります。
温度・・・ベアリングの運転温度を測定し把握しておくこと、固定用の温度計を取り付ける場合は巻き込まれないように十分注意が必要なので、停止時に温度計を取り付けます。
※ 試運転し温度は5分ごとに測定を記録していきます。徐々に温度が上がっていき安定した温度が定格温度になります。安定せずにあがり続ける場合は注意が必要です。
※ 温度計取付箇所のポイントはファンベアリングならユニットに、モーターならベアリングの外側に温度計をねんどなどで固定しておくと良いです。
モーター電流、電圧・・・電流計にいつもの電流を印しておくか報告書に記入しておきます。
※ 電流はRST3本共測定し平均値を記入(3本の電流差は±5%)
※ 印した値より電流が高ければベアリングが重くなっていたり何らかの負荷があるということなので注意が必要です。
※ モーターの定格電流を超えている場合はモーター焼き付け事故を起こしかねません、原因を追究する必要があります。
※ 単相運転なのか・・・電圧測定する。(R-S・S-T・R-T電圧差は±10%)これも記入しておく。
※ 端子の増し締め、マグネットスイッチの確認。ブレーカーを落として確認すること。悪ければ交換必要です。
※ ベアリングが固着しているのか・・・ブレーカー落とし軽く回るか手まわしで確認するとかですね。
※ しるしした値より電流が低ければベルトの緩みやファンの汚れフィルターやフィンコイルの目詰まりなどを確認する、負荷が少ない、風が送れていないと電流も低くなります。
振動・・・汚れなや錆などでファンバランスが崩れている場合があります。バランス調整する。
※ 点検時振動がある場合は特に注意が必要でベアリングの不良やはめ合い部のシャフトの摩耗が原因で振動が起きる場合があります。
※ ベアリングの内輪とシャフトの隙間から錆が発生していれば少なからずシャフトは摩耗しています。シャフト交換必要です。
※ ベルトのバタつきによって、電流が安定しないことがあります。
この時は、ベルトを交換してください。
異常音が反響してる時の異常音を聞き分けるコツ
異常音や他の機器などの反響(ハンキョウ)でベアリングの音が判断できない時は聴診器を使用します。
聴診器がない方は貫通用のドライバーなどでも代用確認できます。
ドライバーでの確認方法は下の3つ
- ファンベアリングであればユニットの部分にドライバーの先をあてる。
- 片耳を柄の部分にあてて聴く。
- 聴き取りにくければ空いているもう一つの耳をふさぐと聴こえやすいです。
※ 判断のコツはいいときの音を常に聴いて覚えておくことです。
※ 整備交換したときに異常音の原因を明確にしておくことです。すると自然にこの音はベアリングの異常音だと判断できるようになります。
※ 回転部には巻き込まれないように十分注意してください。無理だと思ったらやめてくださいね。
モーターベアリング交換、ファンベアリング交換の仕方
ベアリング交換の仕方は排気ファンですが下記のサイトで詳しく説明していますので参考にどうぞ
【排気ファン異音改善】ベアリング交換方法と注意点を詳しく解説
ベアリング交換後に気を付ける注意点
グリス給油・・・ファンベアリング交換時は給油タイプであれば必ずグリスを給油しましょう。
グリスのタイプは「アルバニアグリースS」No.2(参考昭和シェル石油製)推奨です。
排煙ファンのグリースは高温対応の耐熱グリース「スーパールーブ」(参考油研工業㈱製)推奨です。
いずれにしてもぐりすの給油量には気を付けて下さい。入れすぎるとベアリング自体も重くなりますし、熱も持ちやすくなります。周辺の環境を把握し給油量は決めてください。
例えば屋外で雨にさらされてゴミなど多い場合は少し多めにとかですね。くれぐれも入れすぎには注意してください。
ベアリング・・・一般使用、耐荷重使用、排煙使用ではことなりますので交換する際は必ず調べてから交換しましょう。
まとめ
メンテンナンスは日頃の点検が重要です。
いつもと違う音・温度・電流・振動など状況をいち早く把握し予測することが重故障を防ぐことにつながります。
ベアリングに異常音が出だすとロック(固着)故障し停止するのは早いです。
ロックしてしまうとモーター焼き付き事故にもなりかねません。
大事なファンこそ早めの対処が必要になりますので、状況把握と交換の判断は早めが良いです。
どうして故障したのかを追求することがメンテンナンスマンへの近道だと思いますのでよく観察すること。
経験を積んでよい技術者を目指してくださいね。
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