【ファンベルト不良】ファンベルト点検、良否判断の仕方

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空気調和機や給気ファン・排気ファンにはファンベルトや軸受(ベアリング)モーターなど、いろいろな部品が使用されています。この記事ではファンベルトについて点検する際どこに注目しながら点検すればいいのかを、空調メンテナンス初心者が気をつけるポイントとファンベルトの良否判断を詳しく解説します。30年間空調メンテナンス業務に携わってきた私が解説します。

ファンベルトの寿命

ファンベルトの交換時期の目安は約1年又は約3000時間です。

プーリーの摩耗状況により早まることもありますが。

滅多に停止できない機器など重要な空調設備のファンベルトは定期的な交換を推奨します。

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ファンベルトの異常音まとめ

良くある異常音をまとめました。参考にして下さい。

パタパタ音

ベルトが複数本ある場合、ベルト同士が叩き合う音。

原因

  • ベルトの張りがゆるい。
  • ベルトの寿命で伸びてしまっている。
  • ベルトのロット番号が違う。
  • Vプーリー間のセンター状態不良やゴムにクセがついている。

対策

1、ファンベルトの張り調整の実施。

2、ファンベルトの交換が必要です。

3、ファンベルト交換時にVプーリー間のセンター状況も確認し、ずれていれば調整します。

4、ファンベルトを交換した時は張り調整も実施します。

5、ファンベルトのロット番号を合わせる、ファンベルトにはロット番号がありますのでそろえて購入します。

このロット番号は KC31 と書かれていますので同じ番号で揃えます。

6、ファンベルトの保管には気をつけて、できれば丸めないで吊って保管することをおススメします。

キュッキュッ音

ファンベルトの側面がVプーリーにこすれる音。

原因

  • ファンベルトが摩耗している。
  • ファンベルトが硬化している。
  • Vプーリーが摩耗して段差がついている。
  • ベルトの張りが適正で無い。

対策

1、ファンベルトの交換する、交換しても異常音が消えない場合はVプーリーの交換も必要です。

2、Vプーリー交換時はVプーリー間のセンター状況の調整を実施します。

3、ファンベルトを交換した時は張り調整も実施します。

キュルキュル音

ファンベルトが完全に滑っている音。

原因

  • ファンベルトが緩い。
  • ファンベルトが伸びている。
  • Vプーリーが摩耗している。

対策

1、ファンベルトの交換、ファンベルトの張り確認が必要です。

2、Vプーリーが摩耗している場合は交換が必要です。

3、Vプーリー交換時はプーリー間のセンター状況の調整を実施します。

4、ファンベルト交換時は張り調整も実施します。

カタカタ音

ファンベルトに亀裂がある音。

原因

  • ファンベルトを交換せずに長期間使用している。
  • Vプーリーの摩耗、亀裂。
  • ファンベルトの張りすぎ。

対策

1、ファンベルトには寿命があります、約1年。定期的な交換を実施しましょう。

2、ファンベルトを交換しても長く持たない。こういった場合はVプーリーの摩耗状況を確認します。

3、ファンベルト交換時に張り調整を実施する。

ファンベルト状況を電流計で判断する

各機器の電流は毎日の点検時に測定している電流を基準に点検します。

ファン電流がブレている

原因

  • ファンベルトが伸びている。(波打っている)
  • ダンパーが閉まっている。

対応

1、ファンベルトの張り調整実施、又は交換

2、吹き出し側に問題がありますのでモーターダンパーなどが開閉しているかの動作確認。

ファン電流が低い

原因

  • ファンベルトが緩い(滑っている)。
  • 風量が少ない。

対策

1、ファンベルトの張り調整実施、又は交換

2、フイルターの目詰まりなど吸い込み側に原因があるのでダンパーなど障害や問題がないか確認する。

ファン電流が高い

ファンベルト以外に問題があります。

原因

モーター軸受不良やファン軸受不良など。

単相運転なども考えられます。

日常のファンベルトの張り点検

機器が停止していることを確認し電源は必ず落とします。

巻き込まれないように十分気をつけてください。

誘引で回転している場合はその系統になっている機器も停止し電源を落とします。

テンションマスターがあれば使用してください。イメージ図

これですね、バンドー化学のテンションマスターです。

簡単に使い方を説明すると1本のベルトの軸間中央あたりをテンションマスターで押さえてどれだけの力(kg)で何(mm)沈む(たわみ量)と適正ですということです。

イメージ図の写真で左のOリングゴムでファンベルトのたわみ量〇〇mmに合わせます。

簡単なたわみ量の計算方法はファンシャフトとモーターシャフトの軸間距離(mm)を測定します、例えば軸間距離が1000mmだった場合の計算は

1000mm(軸間距離)✖️0.016=16mm

たわみ量は 16mm になります。

なので左側のOリングゴムは16mmに合わせます。

次に右側のOリングゴムを何kgに合わせてたわめれば適正かということです。

例えばベルトの形はB型のレッドラベルで小プーリーの直径を測定します、直径が180mmだった場合は

ファンベルトの初回取付時のテンションは 4.4kgとなりますので右側のOリングゴムは4.4kgに合わせます。

張力計算やテンションマスターの事が気になる方はバンドー化学株式会社のホームページでお問合せください。

テンションマスターがなければ機器停止を確認してから人差し指でファンベルトの中央部を沈ませて張り張力を指の感覚で確認します。この場合は経験が必要になりますのでテンションメーターで調整した適正な張りを指で押さえて感覚を覚えておくと良いでしょう。

これで十分確認できますので交換したての状態を指感覚で覚えてください。

まとめ

ファンベルトには寿命があります。使用状況に合わせて定期的な交換が必要になります。

ファンベルトからいつもと違う異常音がなり出したらファンベルトの交換をしましょう。

そのまま放置しているとVプーリーの摩耗も早めてしまいます。

日々の点検は必要です。電流測定は記録しておきましょう。

ファンベルト交換前と交換後の電流の変化も記録しておき交換時期の目安にします。

ファンベルト交換してから2週間後ベルトが馴染んだ頃にもう一度点検しましょう。伸びているようなら張り調整を実施します。

手で押さえてわかるようになれば一人前のメンテナンスマンです。

感覚でわかるようになるのでプロを目指してください。

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