ベアリング交換を詳しく解説【偏心輪付き編】

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空調メンテナンスでは日頃の点検は欠かせないものです。目視点検や温度測定、異音や異臭などいつもと違う異変にいち早く気付き対処する必要があります。空調メンテナンスマンはいち早く判断できるスキルが必要になってきます。

今回は空調メンテナンス歴30年の私が偏心輪付きのファンベアリング【参考UGP‐〇〇〇】交換の仕方をふかぼりしていきたいと思います。

この記事ではベアリング交換する、初心者の方向けに書いています。

偏心輪付きのベアリングは高荷重のファンに向いています。

偏心輪付きのセット方式は簡単ですが注意する点がいくつかあります。

失敗しないように確認していきましょう、どうぞよろしくお願いします。

ベアリング交換 前準備

交換修理対象機器を確認したら、必ずブレーカーを切りましょう。これは遠方運転が可能な状態では、いつ誰かが知らないうちに運転してしまう可能性を考えての処置です。

汚れたグリースをふき取り、サビ具合を観察します。

シャフトとベアリングのはめあい部からサビている場合シャフトが摩耗しているかもしれませんので取り外した時に確認が必要です。

手袋を着用し、手足元に十分注意して作業していきます。

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偏心輪取り外し

偏心輪を固定している六角穴付きスクリューネジを六角レンチで緩めます。

偏心輪の固定セットはファンの回転方向が⤵️時計回りなら偏心輪も⤵️時計回りに固定セットされてますので、反時計回りにジグや固い棒など、なければ貫通用のプラスドライバーなどを使いハンマーで叩きゆるめます。

ゆるめすぎると反対に⤴️反時計回りに効いてしまうのでよく確認しながらゆるめます。

反時計回りに効いてしまったら時計回りに緩めればKOです。

偏心輪がゆるまれば取り外します。

ベアリングを取り外す前に偏心輪を固定セットした時に残る六角穴付きスクリュービスの跡(バリ跡)がシャフトについていますのでヤスリでバリをとりのぞき、ペーパーヤスリでならしたあとに指で軽くなすって確認します。このとき強く押さえすぎないように気をつけて下さい。ケガしないように!

サビなどで固着している場合はサビ落としスプレーをかけてできるだけサビは取り除きます。

この作業はベアリングがバリやサビで抜けにくくなることを防ぐための処置です。

ベアリング取り外し

ベアリングの足元のボルトを取り外します。

ベアリングのサイズにあったプーリー抜きをかけて抜いていきます。

プーリー抜きのサイズが迷ったときはバーの幅とベアリングをかける幅を見比べてできるだけあったプーリー抜きのサイズを選ぶようにしましょう。

ベアリングが固着してなかなか抜けてこない場合はトーチランプでベアリングの内輪を炙ります。

火気を使用する時は火災報知器の場所などを把握し必要に応じて火災報知機を養生する必要があります。作業終了後は養生のとりわすれの無いようにね。

なぜベアリングの内輪を炙るのかと言うと内輪だけを熱膨張させると抜けやすくなるからです。

この時シャフトはなるべく炙らないように気をつけてください。ベアリング内輪とシャフトの温度差がポイントです。

高火力で火口の細い機器で炙ると効果的です。

現場状況によっては火気使用許可届が必要な現場もあります。前もって各現場担当者に火気を使用するかもしれませんと伝えておくとスムーズに作業できます。

プーリー抜きを締め込んだ状態でハンマーで打撃を与えると反動で抜けてくることもありますが、この場合、シャフトにバリが出るほど叩きすぎないように注意してください。

どうしても抜けない場合やプーリー抜きが使用できない場合はシャフトを削らないようにグラインダーでベアリングのみをカットすれば解決できますが、最終手段としてください。

シャフトの状況

ベアリングを取り外した後、シャフトの状況を確認します。

摩耗していないかな・・・もちろん摩耗していれば担当者に確認してもらいシャフト交換を推奨します。

サビやバリの確認しグリースなどきれいに拭き取ります。

ベアリング取り付け

ベアリング取り付け時に気を付けることは斜めに無理やり入れてはいけない

当たり前ですが斜めには絶対に入りません、落ち着て平行にスライドさせてはめ込みます。

軽くたたくのはOKですがクッションハンマーを使用してください。

強くたたいて挿入すると異音の原因になりますので慎重に。

元の位置、ボルト穴及びファンランナーの中心を確認しベアリングの位置を確定しボルトを締め付けます。ボルトの締め付けトルクは割愛します。

ベアリングを取り付けたらシャフトを手回しし軽く回るか異音はないか確認します

偏心輪取り付け

取り外し時にも少し触れましたが偏心輪のセットには方向があります。

起動時にシャフト(ファン)が回転する方向を確認し、シャフトと同じ回転方向にセットします

上のファン写真では反時計回りに回るので偏心輪のセットはファンの回転方向、反時計回りに効かせます。なぜなら偏心輪はシャフトにセット(固定)されるからです。

軽く手で効かせるようにセットすれば良いのですが、今回は異音が出てからの交換(新品ではない)ですので、軽くたたいて効かせます。

この時の注意点は偏心輪がベアリングに対して平行にきっちりはまっているかの確認が必要です。

偏心輪を効かせた後シャフトを回しして平行になっているか確認します

六角付きのセットスクリュウーを締め付けます。

シャフトに偏心輪を(六角付きセットスクリュウービス)セットするので回転するほどシャフトに効いていきます。

最後にWチェックで各ボルトなど閉め忘れないか確認します。

グリースも入れますが、発熱しますので入れすぎには注意してください。

交換完了です。

試運転確認

ベアリングの試運転確認は温度です。

温度が上がり続けるなら異常です。

ベアリングのピローブロックの部分の温度測定が可能なら5分ごとに測定し、温度が安定すれば問題なしです。

ブレーカーを投入し二人以上で声をかけながら試運転していきます。

温度測定は可能な限りでおこなってください、危ない場合は測定せず異音がないか確認する、または運転停止してから温度測定し良否の判断をしてください。

くれぐれも巻き込まれないように注意してください。

まとめ

偏心輪付きのベアリング交換の仕方はいかがでしたでしょうか?

注意すべき点がわかれば簡単に出来ると思います。

落ち着いて状況を確認しながら取り外しから取り付けまで作業すること。

Wチェックはメンテンスだけに限らず一番重要なこと、になるかもしれません。

作業していく途中の確認は失敗しないためのおまじないとして忘れないようにね。

経験を積んで良いメンテナンスマン目指してください。

最後までありがとうございました。

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