エアコンの故障診断に欠かせない冷凍サイクルを簡単に説明します。

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エアコン点検をするには冷凍サイクルを理解していないと良否を判断することはできません。初心者の方へ空調メンテナンス歴30年の私が冷凍サイクルを簡単にわかりやすく解説します。参考にしてもらえると嬉しいです。

冷凍サイクルを理解することは冷媒の状態を理解することです。

ある冷やしたい目的、物または部屋の熱(負荷熱)を冷媒が奪い移動させ室外へ放熱することでその物や部屋、目的を冷やすことができる。

もう少し詳しくみていきましょう。

冷凍サイクルの仕組みは大きく分けて4つある

媒体であるフロン冷媒は圧力をコントロールすると状態変化しやすい性質があります。

冷媒が状態変化する時に熱の吸収と放熱が行われる。

冷凍サイクルを4つに分けると

蒸発(吸収)→圧縮(圧縮)→凝縮(放熱)→膨張(減圧)そして蒸発へとくりかえされます。

冷媒の流れを作っているのが圧縮機です。(水で言うならポンプみたいな役割です)

圧縮機は冷媒の流れを作りながら圧力も上げています。

1)圧縮「気体(ガス)になった冷媒を圧縮します」

圧縮機は気体(ガス)冷媒を圧縮する場所で圧力を上げつつ冷媒に流れを作っています。

※エアコンなら室外機にあります。

ガスを圧縮し圧力を上げるので高圧圧力ガスになります。

圧縮機では負荷熱と圧縮機から発熱する圧縮熱もガスにプラスされるため高温高圧ガスになります。

圧力を上げることで高温高圧ガスになった冷媒は凝縮しやすい状態になっています

冷媒は圧縮機からコンデンサー(凝縮器)へ送られます。(参考配管温度80℃位)

2)コンデンサー(凝縮器)「圧縮された冷媒を冷やし凝縮します」

コンデンサーでは高温高圧ガスの冷媒を凝縮させて液を作る場所です。

※エアコンなら室外機にあたります。

圧縮機で凝縮しやすい状態になった高温高圧ガスから負荷熱と圧縮熱を外気へ放熱させることで冷媒が冷えます、冷された冷媒はガスから液になります

すぐに液にはならず徐々に液冷媒に変化していくイメージです。

コンデンサー内では飽和状態(液とガスが混ざり合った状態)になります。

コンデンサーから出た冷媒の状態は高圧圧力で目的を冷やす準備の出来た液冷媒です。(参考配管温度35℃位)

3)膨張「液冷媒を膨張・高圧圧力を減圧させる」

膨張弁(減圧弁)とも言われていて冷媒が蒸発しやすい状態にする場所です。

液冷媒を膨張弁で膨張(拡散)させます

※ホースで水をまくときに先を絞って水を拡散させるイメージです。

膨張弁で絞っていますので圧力も下がります。(冷媒状態を把握するために減圧弁ともいわれています)

膨張弁の冷媒の状態は膨張弁の手前では高圧圧力で液です。

膨張弁を出たところでは低圧圧力になり飽和状態(液とガスが混ざり合った状態)となっています。

膨張弁から出た冷媒は蒸発しやすい状態になりクーラーへ。(参考配管温度5℃~8℃位)

4)クーラー(蒸発器)「液冷媒を蒸発させるには」

ものを冷やすことが出来るのは液冷媒だけです。

液冷媒が無い状態だと目的を冷やすことはできません。

飽和状態(液冷媒とガスが混ざり合った状態)になった冷媒はクーラー(蒸発器)で冷やす目的から熱(負荷熱)を奪い蒸発します。※液冷媒が無いと熱を奪う事ができないため結果冷えないことになる。

熱を奪われた目的は冷えていきます。

冷媒の状態はガスです。(低圧圧力ガス)

圧縮しやすい状態になり圧縮工程へ繰り返されます。(参考配管温度10℃位)

この繰り返される4つの工程が冷凍サイクルです。

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まとめ

空調メンテナンスで冷凍サイクルを理解していなければ不具合を見つけることはできません。

冷凍サイクルは冷媒がガスから液、液からガスへくりかえすなかで状態変化が起きるタイミングで目的の負荷熱を奪い外部へ放熱している。

4つの工程を繰り返すことが冷凍サイクルです。

蒸発(蒸発器クーラー)圧縮(圧縮機)凝縮(凝縮器コンデンサー)膨張(膨張弁)

4か所での冷媒の状態が役割をはたしていなければサイクルは成り立たず、不具合を見つける手掛かりになります。

最後までありがとうございました。

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